
「一生付き合いできる技術パートナー」とは?
弊社にとって「一生付き合いできる技術パートナー Best Technical Partner Forever, BTPF」というのは、
「無駄の少ない知的生産」
「粘り強い情報設計」
「優れた認知的柔軟性」
「寄り添うマーケティング」
「広範な技術力と技術選択肢」
この5つを兼ね備えたうえで、クライエントさまの技術部門として在り続けられる、身近なパートナーのこと、と定義しています。
英語では「Best Technical Partner Forever(ベスト・テクニカル・パートナー・フォーエバー)」とし、「BTPF」と省略することもあります。
なぜ「一生付き合いできる技術パートナー」なのか?
いまでは「IT」や「DX」という専門用語、「ウェブ」ということばも、一般に浸透しました。最初の打ち合わせで「UI/UX」という用語が依頼者さまから出てくることもあります。
ウェブやインターネットに関するテクノロジーが、ビジネスと不可分になってきました。ホームページも、ランディングページ(LP)も、アプリも、システムも、以前までは使わなかったビジネスが、それら無しでは話にならなくなってきました。
これからは、テクノロジーをどう生かすか、ということがビジネスのなかで本格的に問われます。
本来であれば、理想論的に、どのビジネスにも技術部門というものが当たり前のようにあって、ビジネス自体やビジネスを取り巻く変化に合わせて、技術を駆使していくべきなのでしょう。
一方で、そうは言っても、テクノロジーに関する部門や部署を設置するのは簡単ではありません。
技術に関するリーダーシップの位置づけ、管理レベル、チーム構成、予算、人的リソース、機器、ソフトウェア、トレーニング(研修)、選考と採用、プロジェクト管理、評価、フィードバック、カルチャーづくりなどなど。新設するにあたって、乗り越えるべき障壁が高いのは間違いありません。
その困難性を解決するために、弊社の「ワーカ制作室」は、技術部門の次善策として、一生付き合いできる技術パートナーというのはいかがでしょうか、というご提案をしています。
どこからそのモチベーションがくるのか?
いちばん最初は「ホームページをちゃんとつくって、ホームページを生かすことがとても大事です」ともっともっと伝えたくて仕方なかったからです。
代表の私は、4年間、営業利益2,000万円規模のウェブ制作会社で技術者として勤めていました。いちばん大きなウェブサイトでは、1日で60万から100万回ぐらいのアクセスがあります。ヤフーニュースに掲載されたときは、その数字の比ではなく、うれしさよりも先に、大量アクセスでサイトが落ちないようにがんばろう、と緊張したものです。
その会社は早い段階で営業主体の会社になり、技術者の声はミュートされるようになりました。日々のなかで熱心につくられる「提案書」や「改善案」なるものは、クライエントさまの「why」を無視したような、そのウェブサイトを本気で生かすものではなく、決済者が一定の金を払いそうかどうか、という経営イシュー風でしかないみっともない意図を隠し持った、売上本位の営業行為となっていました。
もちろんお金を稼ぐことが悪いわけではありませんが、プロの専門業者としてやるべきことは、ホームページやウェブサイト・システムをちゃんとつくること、つくったホームページを生かすこと。つまり、変わりゆくビジネス環境・ドメイン知識に対応しつづけること。
依頼者さまのビジネスの「why」を誰よりも理解しようとし、クライエントのお客さんのことを見つめて、情報発信が適切に届くように支えつづけること。クライアントの目的と予算から、最適を提案できるように情報の精査を毎日つづけること。
それらを当たり前のように繰り返すことで、利益が生まれるものだと信じています。
ただ、ホームページをつくるだけでは意味がない、と言うしかないような「失敗」もたくさん見てきました。その反省を一般化したものが、このたび私が「一生付き合いできる技術パートナー」の条件にかかげた、「無駄の少ない知的生産」「粘り強い情報設計」「優れた認知的柔軟性」「寄り添うマーケティング」「広範な技術力と技術選択肢」の5つです。
順に説明させてください。
①無駄の少ない知的生産
知的生産における無駄の代表格は「解かなくていいことを解くこと」です。
たとえば、数学というのはとても多様な世界で、「2+1=0」みたいな式をつくることもあって、直感に反することもたくさん出てきます。
一方で、〈受験に合格するために数学を勉強する〉というおおくのひとが直面したことのある局面で、従来の、「足し算のルールがわからなくなるような高度な数学の話」は不要です。
「1+1=2」のように、自然数のとおり足し算できるシンプルな数学世界だけ知っていればよく、受験もそういう計算だけで済むようになっています。
もちろん、とある受験生が「1つの粘土と、1つの粘土を足しても、1つの粘土にしかならない。違和感があって数学がわからなくなる」とか、「ゲームのマップを右に3回進むと、振り出し(0)に戻る。1+1+1=0だ」というところで数学沼にはまってしまったとしましょう。
その場合には、おおもとにある〈加算の原理〉や、「一般に2というのは1の次の数のことでしかない」という〈ペアノの公理〉に支えられている受験数学の前提世界を教えてあげる必要があります。
こうした要不要の切り分け、掻き分け、嗅ぎ分け、これがとてつもなく大事です。
なぜなら、あらゆる資源は平等に有限だからです。
解くべき問題を見詰めて、その問題に全力で取り組む。これが知的生産のあるべき姿だと言えます。もちろん、「言うは易し」ではありますが。
また、これはあらゆる面においてアドバンテージを生みます。たとえば、労働資源を節約できるので「低コスト」指向になります。
あるいは、仕事を外注するときにエキスパートのひとに何を解決してほしいのか明確に指示できて成果物の品質が上がります。
ほかにも、チームの目指すべきゴールが定まって共同作業が健やかに進みます。
もちろん「無駄」はときに大切なものですし、私自身プライベートでは無駄なものばかり個人開発していますが、知的生産において予算をとって問題解決する場面では、無駄が少なくなるよう努めること、その方法論を意識することが大事です。
②粘り強い情報設計
弊記事「ウェブサイトの情報発信について」で書いた通り、世界というものは複雑です。世界は混雑しています。
ますます情報が溢れて、届くべきひとに届かない、そういう散らかり切った状況にあります。
たとえば、IDC Japanの予測によれば、全世界のデータ量は2025年で「163ゼッタバイト(163兆ギガバイト)」にまで増えるようです。途方もない数字です。ゼッタバイトがどれほど膨大かすらよくわかりません。
規模としては、2016年では16ゼッタバイトと言われていたので、その予測からさらに10倍になったと言われています。
ほかの調査では、2000年では6.2エクサバイト、2010年では988エクサバイトと言われていて、2000年から2025年のあいだで「約26,290倍」も情報が増えることになります。
訳のわからない数字を並べましたが、要するに情報は爆発的に増えています、ということです。
その対策として、ひとりひとりの「情報取捨選択」に頼る部分も間違いなくありますし、理想論を言えば、あらゆるひとびとのあらゆる行動に最適化すべきです。
メールしか見ないひとにはメールを送り、テレビしか見ないひとにはテレビCMや番組スポンサーという手法があるでしょう。
それでも、予算・時間・労力は有限で、限られた選択肢のなかで有効なのが「情報発信の基地をつくる」ことです。
そのひとつとして、ホームページやウェブサイトが採用されることもあります。 それについて、「whyへの共感」や「言語的不安定度」などのトピックを『ウェブサイトの情報発信について』という記事で書いております。ぜひご覧ください。
③優れた認知的柔軟性
「認知的柔軟性 cognitive flexibility」というのは、柔軟な反応というものを知っていて、柔軟な対応をすることに前向きで、じぶんは柔軟な対応ができると思えていることです。
成功体験があること、じぶんのなかで常識化していること、内面化していること、そういった保守的な傾向を廃して、あらゆる選択肢に目を配り、目的に対して柔軟な選択ができるよう、いつでも変更できるよう、認知を鍛えることが大事です。
これは前職で苦しんだことなので特別意識しています。
とくに近年は、ホームページの制作手法が目まぐるしく変わっています。弊社で言えば、特定の条件下で20時間かかっていたものが、4時間程度で終わることもあります。そういう「大変革」が、数ヶ月単位で起こる世界になりました。
この柔軟性において大切なことは、未知のもの、未知のツール、未知のプログラミング言語、未知のパッケージ、とにかく知らないものが出てきたら、おもしろいものが出てきたら、その日に触ってみることです。
④寄り添うマーケティング
マーケティングには、理論やフレームワークやツールがたくさんあります。勉強すればするほど、手持ちのカードが増えていき、強力な分析ができるようになります。
その一方で、解くべき問題への意識が薄れることもよくあることです。 弊社では、依頼者さまの「解くべき問題」、いちばん大事な課題、いちばんに考えているお客さまのことをよく知り、それを軸に置いた寄り添うマーケティングを考えます。
たとえば、認知度が足りていない状態で、どんな大理論を振り回しても、フルスイングの三球三振になってしまうものです。
あるいは、店頭の棚に並べていない商品なのに、なんでお客さんに売れないのか考えてもしかたありません。
デボトルネッキング、つまり、どこまでやってみないとなにがわからないのか、そういうネックなポイントをいっしょに考えながら技術的な観点をメインに、伴走・並走、解決・提案、価値提供をいたします。
⑤広範な技術力と技術選択肢
技術は、組み合わせや相性を有します。
組み合わせ次第で、相性の良し悪しで、生かすこともあれば殺すこともあります。
ひとつの手法を確立して、それを大量受注する効率的なビジネスモデルとは真逆の、常に課題との相性で技術を選んでいく手法です。
言われてみれば当たり前のことですが、「柔軟な対応」をするためには、「柔軟な対応ができると知っている」必要があります。
弊社はさまざまな技術にアンテナを張って、新旧で差別することなく、実際に触ってみて、知見を社内に温存します。
そもそも「ITエンジニア(あるいは技術職)」というのは、何でも屋さんといえる特質があります。依頼者さまの課題・問題を解決するために何でもやろうと考えます。
その手段のひとつに「プログラミング」や「ウェブ」や「マーケティング」などがあり、なおかつその手段が高度に機能するから用いるだけです。
解決に必要なら、「IoT(アイオーティー)」と呼ばれる、物にインターネットをつなげる技術を使ったり、工場のOEM(じぶんのブランド名でほかの製造会社に製品をつくってもらうこと)の相手先を探したりもします。
そうした幅広い意味での「技術」も含んだうえで、弊社は技術で寄り添う会社でありたいと思います。